Sunday,December 22, 2024
なんのためのホームページか
現在の宿泊施設において必要なナレッジを対談形式で語っていく連載。連載第16回目は、ホームページによる売り上げ向上に尽力されている飯野貴行氏と、日本の宿泊施設におけるホームページ改装の際の問題点について対談しました。
- ホームページはなんのためにあるとお思いですか?
- ホームページは新規来館を意思決定させる役割と、再来館を促す役割と、2つの役割があります。ここで重要なことは、ホームページ上の何を見て新規来館を意思決定させるのか、再来館を促すのか、ということです。これが明らかになっていないと、いくらデザインだけを新しくしても、集客にはつながりません。確認すべきポイントは、他社比較含めて、『表現』と『動機内容』です。「ホームページには全ての情報を羅列することこそが親切」だと思っているとすれば、「だからこそ客数が減少しているのです」と言いたくなります。
- 宿泊業界のホームページを見て思うことは?
- 無難にデザイン良く作られていますが、上述のように「この宿泊施設を選ぶとどういったメリットがあるのか?」が明確に示されている宿泊施設が少なすぎます。他業界であれば検収が認められないレベルだと思います。旅行会社のせいで宿泊施設内にマーケティングナレッジが溜まらなかったことが問題かと思われますが、ここは宿泊施設サイドが強く指示しなければならない最重要ポイントです。宿泊施設サイドの勉強不足のため、ホームページ屋のいいなりになっている姿が目に浮かびます。
- なにか実務的なヒントをいただけませんか?
- デザイン、キャッチコピー、メインの写真など、どれがいいのか、社内のひと握りの人とホームページ屋だけで話し合って決めていませんか?お客様には一切意見を聞かずに、妄想でホームページを改装し、公開してしまう。それが失敗する確率を高くしています。そこで、例えばクラウドソーシングサイトには一般の人が大量に登録していて、アンケートや投票に参加してくれます。「どのデザインがいいですか?」「どのキャッチコピーが心に刺さりますか?」などを聞けるわけです。費用はなんと一件当たり5円から募集できます!しかも、ほんの数日で。社内であれこれ考える暇があるなら、さっさとネットを使って意見を集めましょう。今はそんな時代です。